中国と日本人
June 4, 2008
今、北京に来ている。アメリカに住んでいる弟が東京に来たので仕事のついでと、オリンピック前に一緒に旅行をしている。
空港や市内のビルはもの凄い勢いで出来上がっている。東京オリンピックの前のように、この機会に都市をきれいにして一気に中国の覇権を示そうという姿勢が伺える。
しかし、チベット問題と四川大地震以来、中国に対する旅行者が減っているという。人々はこういうムードに凄く敏感だ。
オリンピックといえば、ロスまでは赤字だったスポーツ界も、現在ではスポーツイベントでの集金システムが完成している。そういったスポーツ貴族が勃興してきたのが気に入らないと弟も言っていた。
北京オリンピックではサマランチ会長以下がベンツのリムジンを用意しろなどと要求してるという話があるそうだ。
もしこの中国の13億人以上の人が、平均年収20万以下で製造業で働いたとしたら、日本人はこれと同じことをしていたら絶対に収入が増えないだろう。
80年代日本の企業が世界を巻き込み一瞬世界一のお金持ちになった事があった。
その時、アメリカは自動車や製造業からは身を引いて、一気にコンピューター産業やソフト産業に変わり、クリエイティブクラスが勃興した。ヨーロッパでは、文化的付加価値のあるブランド商品を展開してきた。
さて日本はどうやってこのピンチを乗り越えることができるか。
単純労働は大部分が中国によるものに取って代わられるだろう。日本製品が作りが良いと言われるようになったのは戦後しばらく経ってからで、まだそれがブランドとして確立されてはいない。
日本人の創造性を文化のレベルまで引き上げていかないと、中国の圧倒的なエネルギーにのまれてしまうだろう。しかし教育や政治の遅れやリーダー不足など、日本は大分旗色が悪い。
北京で何時も行く骨董街の瑠璃廟などでは、歴史的地域はきちんと残そうという文化的な意図で、他の所よりもきれいに整備し、古い街並が再現されてきている。中国ではこういった事も、やるからにはとことんやるぞという勢いがある。
ここで僕らももたもたしないで、未来社会を創造的に考えていきたい。北京を訪れて、きちんと賢明に日本人の得意な所を引っ張って行きたいと思った。