Tokyo Designers Block
December 20, 2024
ここ40年くらい、Saloneという家具のデザインを町中で発表している期間に、イタリア・ミラノを訪れている。
初めて訪れたのは1980年代後半。IDÉEを始めてすぐの頃だった。町中で家具の展示会が行われ、人気の家具屋の前には人々が並び、レセプションパーティーには順番待ちでなかなか入れない状態が続いていた。
家具に町中の大人が熱中している様子は感動的でした。家具を囲み、デザインの話に明け暮れる知識人をかっこいいと思った。
良い家具に囲まれ、アートやアンテイークやクラフトの趣味が良い人は本当に羨ましい。先祖代々の家具に、新しいデザインの家具を組み合わせ、アートや花もうまく取り合わせている趣味のいい人は稀にいるものです。そうした人は「趣味の冒険」と僕が呼ぶ、ハッとさせる新しいオリジナルの感動をさせてくれる。
そこで僕は周りのデザイナーを集めて、SPUTNIKという名前でミラノで展示会を行いました。オランダのDROOG DESIGNが、同じくミラノで、リチャード・ハッテンによる新しいデザインを発表した後でした。その頃、偶然僕の周りには才能のあるデザイナーがたくさんいて、色々なデザインを持ってきてくれた。
また、無印良品の様に、日本的な作りの良い、あまり値段が高いものではなく、職人や作りを重んじたモノたちを集めたブランドもあった。
そしてその後、東京でTokyo Designers Blockというデザインイベントをやることになった。ロンドンで僕の友人たちが、町のワンブロックをデザインで埋めようととデザインイベントや展示会をやっていたのの、東京版としてやり始めたものでした。
「Design has no boundaries. デザインに境界なし」として、様々な領域にデザイン思想を行き渡らせた展示とイベントを行った。
このイベントは1999年から2004年まで開催した。秋にやって毎年期間中で60万人くらい動員した。その後、DESIGNTIDE TOKYOやDESIGNARTなどのデザインイベントが始まった。
都市をデザインで埋めるということはやりがいがあり、「デザインとはそもそも何なのか?」「美意識とは?」「生活の探究とは?」を考える事でもある。
最近色々な人と話していて、東京をデザインで埋めるということをやったら良いという話になった。機が熟してきたのではないか?ということになった。