Whole Earth Catalog

August 8, 2007

僕の手元にある30年間くらい前の本=雑誌のようなカタログ。それはWhole Earth Catalogという本で、1960年代後半のイギリスやアメリカのヒッピー達はみんなこれを読んでいた。

スティーブ・ジョブズが2005年に行ったスタンフォード大学での講演でも述べられているように、これは当時としては画期的な出版物であったばかりでなく、現在のエコ的な考えやサステナブル・デザインの基本思想にもなっていた。

そのジョブズがいうように、GOOGLEよりも25年も前に、人間としてあるべき生き方という視点で情報をまとめ、大衆の英知の出現を待望していたこの本の姿勢に僕は惹かれた。人類はここまで文化を創造したが、同時に未だに愚かでもある。これは宇宙規模で地球を見ると自分たちの考えている価値観や善悪、美醜は間違っているかもしれないといっているかのようだ。

このカタログにはGOOGLEやLINUXに勝るとも劣らない理想主義がある。そしてカタログ自体が哲学や思想のメディアになっている。ここが最近の雑誌とは異なるところだ。実はLIFE WITH IDEE や、その前に出した美術評論誌FRAME、それにSPUTNIK MAGAZINEなど僕が出版したカタログや雑誌は全てこの考え方を参考にしている。これらにはモノやアートや人間と生活について深く考える面白さが根底にある。

Whole Earth Catalog は、今の大手の雑誌づくりに参考になるかな?意外に思う人もいるかと思うが、「酒とつまみ」という雑誌には、酔っぱらいながらも根の部分ではこれと似た姿勢を感じる。ちなみにこの雑誌はうちの諸橋さんの愛読書。

また、僕たち日本人にちょっと嬉しいのは、Whole Earth Catalog の編集発行人だったスチュアート・ブランドは日本のあらゆる自然崇拝の本を読み、東洋思想を信奉していたらしい。そしてサザビー・リーグの鈴木陸三さんによると、奥さんは日本人らしい。彼は最近パリで会ったとのこと。元気にやっているらしい。という訳でこれからもこの雑誌のことをこのブログで解説しようと思う。

Whole Earth Catalog

This epoch-making catalog is called "WHOLE EARTH CATALOG." As Steve Jobs said on a speech at Stanford University, this catalog was edited by the point of view of how to live right and this is the point that attracted me.

This catalog has the idealism that is no way inferior to "google" or "LINUX." This catalog has a philosophy and thoughts and these makes the catalog different from other magazines.

It is interesting to think about products, arts, people and life through this catalog.I will keep writing comments on "WHOLE EARTH CATALOG."


Whole Earth Catalog

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