地球ノ危機
June 26, 2008
最近の僕の頭の中の多くを占めているのは、気候の急激な変化に人類がどう対応するかという事。それらは経済的にはエネルギー、特にガソリンの高騰による世界経済や自動車産業等の変化につながってくる。そしてそれらに対応するライフスタイルとデザインの未来について。
こうしたことを考えながら、新聞を読んだり、テレビ見たり、生活を送っている。
また、最近国連大学の学長なったオステルワルド氏のアドバイザーの様な役割から、青山の国連大学を舞台に色々な事をしている。
その国連大学・ウタントホールで、7月4日の金曜日の朝9時半から、量子物理学者でもある国連大学長オステルワルド氏や、NASAのジェームス・ハンセン氏など、この分野で進んだ意見をお持ちの方々の英知を集め、地球温暖化の現状をどうしたら良いのか、どう行った方向で行動し起業化するべきかを話し合う会議が開かれる。
これは誰でも参加できるセッションで、とても興味深い話題だが、残念ながら今まではこうした情報として閉じられていた。
8年前、僕がTokyo Designers Blockを青山界隈で始めた時、国連大学の上層部と、こういう事が社会にとって大切だと意気投合した。それから彼らとは友人になり、現在では今後の彼らの動きを作ることをお手伝いするようになった。
国連大学は、ビルマ人のウタント国連事務総長が、世界平和は人類の英知を高めなければ達成できないという考えから構想したものだ。そしてその頃、国際社会で存在感を持ちたいと考えていた日本が、丹下健三氏のデザインした建物を国連大学の本部として提供した。
それ以来、青山学院大学の前にある国連大学は、良い研究を行ったり、色々な出版を出しているが、日本ではあまり認知されていない、閉じられた大学になってしまった。
戦後、日本は経済に集中し、その分野で国際社会での存在感を示すようになった。しかし、思想や政治の世界ではとても弱く、世界の人を説得し引っ張って行くような能力を伸ばそうとはしてこなかった。
多分、G-8のサミットでも福田首相が世界中の首相達を笑わせたり引っ張ったりすることができるとは想像できない。そして残念ながらデザインやアートの世界でも、その実力に見合ったかたちで、世界を引っ張って行くことができていなかった。しかし、ここにきて国際的発言力が大切だということが解ってきたと思う。
僕はむしろ日本の社会に合わない人間として生きてきたが、この所やっとすこし出番が回ってきたかのように思う。
地球が今よりも熱くなっても、台風がたくさん来ても、エネルギー危機が起きても、人類がそう簡単には死に絶えないと思うが、英知を集めてこの人間のせいでおかしくなった地球の事や、人類の文明の行く末、価値の置き方の多様性などを考え、今後の人生を作っていきたい。
子供たちが希望を持てる社会は、別に安全で豊かな世界だけではなく、文化と英知のある世界ではないかと思う。豊かさの意味を深く考えていないと、表面的なもので終わってしまう気がする。