アマチュアを大切に -Schooling Pad7期に向けて
July 7, 2008
ロンドンに来るとついオーバースケジュールになるので、最近はなるべく予定を入れないようにして、まず街を歩く。ロンドンはこの30年間で100回ぐらい来ているボクの好きな街のひとつで、ウィンブルドンの季節は特に良い。
今回は夕方着いて、フリス・ストリートにある隠れ家のようなホテル"Hazlitts"に泊まることにした。ここはGrouchoというクラブのそばにあり便利なので、10年前に訪れてから度々泊まっている。200ポンド以下なので一人で旅行していてロンドンの高いホテルにうんざりしている人には勧めたい。
ホテルに着いてから、デザイナーズ・ブロックをやっているピアスとロリーに電話した。っそして久々に会おうという話になり、彼らが巣窟にしているオールド・ストリートのそばの古くて壊れかかったビルをリフォームしたオフィスに向かった。
彼らのオフィスは、ディケンズのオリバー・ツイストや、ストーンズのベガーズ・バンケットの写真にあるような古くてイギリスらしい空間を、60年代のアートやロックのアティテュードのようにボロいけど格好良くしていた。
ここに僕らのTDF(Tokyo Design Flow)の事務所を置くのも良いと思った。そして色々な話している内に、スクーリング・パッドの話題になった。
僕が日本ではどこの学校に行ってどこの会社に在籍するかが大切な社会だったのが、これが変わりつつある事を話したら、「それはみんなプロになりたいっていうことか?」とピエスがついて聞いてきた。そうだプロフェッショナルがまず目的とされるのだということに気がついた。
イギリスでは高校を卒業したら、だいたい1年間ぐらい世界中の旧植民地を旅行する。その中でアメリカやカナダ、オーストラリア等を中心に回るのがエリートの子弟コース。
そこから何を専門にするか、メジャーすなわち何を基本に社会の知性を吸収するか考え、常に他のオプションを視野に入れる。そして職業を決める。その中のひとつが企業に勤めるということだ。日本のように、就職する=社会人=会社や組織に所属するということではない。
1つのジャンルのプロにだけなるという考えではないため、リチャード・ブランソンみたいにレコード会社から航空まで素人でもやり始める人が出てくる訳だ。そういえばあの松下幸之助だって始めはプロではなかったのだと思った。
イギリスに来ると何時も会話を楽しむことができる。これは何故かというと、無邪気な質問や他愛もない事を大切にしてるいるからだ。そう僕らにかけてるのはそもそも自分は何をやりたいのかを再び考えることなのだ。
プロとは疑問を持たずにミッションを実行する人。それに捕われすぎていると病んでくる。それをもう一度考え直す事。
それには高度な会話やセッションからのインスピレーションが大切だと今更ながら思い、スクーリングパッドの意義と責任を感じた。