ブックコンシェルジュ
July 16, 2008
この9月から、スクーリングパッドでブックコンシェルジュ コースを始める。
本のことを詳しい人はたくさんいるが、本の趣味が良い人や本棚がほれぼれするほど良いセレクションな人は少ない。また人のことを判断する時に、その人の家の書斎を見ると嘘がない。
企業や学校、昔だと貴族のライブラリーは、その家の知性の粋を集めていたものだ。デザイン会社やクリエイティブな企業ではライブラリーやデータセンターなどが凄く大切になってきた。そこが良いとクライアントも一目置くというものだ。
また最近の創造産業のオフィスの雰囲気はみな自由で、インスピレーションをかき立てるような本のある空間に仕上がっている。
知識や情報をコンピューターの画面に頼ってからは何か知性が儚いものに思えてくる。
やはり本の前でぼーっとしたり、文字の前で佇むのが基本。今までは知は本とは切っても切れないものだった。しかし最近は特に日本の出版界ではたくさん売れないと出版流通から外され、本屋も本を量販店での消費材のように扱つてきた。
今では本は消費材で、知的資産だった時代は終わったのだろうか。いや本物の知性が必要な時代が来ているのではないだろうか。
そこで本をどのように集め、どういう風に愛し、コレクションをしたり、自分だけのライブラリーを作るかを考え、その道の本のコンセルジュ(本屋のニューウェーブの旗手、ハックネットの安岡さんが使い始めた言葉で、本の相談やセレクトをしてあげることができる知性の案内人)を育てることがまず必要だと思う。
デザインでのコミュニケーションといっても、まず良いセレクションのライブラリーを持とうという最近の僕らの興味の方向を支えることができるような人が育ってほしい。
そこでスクーリングパッドでは安岡さんと新しいコースを作ることにした。これは今の時代には必要な事でないかと思う。本には未来がある。ということは人の知性には未だ未来は大きく開けているという事だと心から思う。