シチュエイショニストー状況を造り上げる人
July 21, 2008
この写真は何だと思いますか?革命のような、お祭りのような、パレードのような、ただの騒ぎのような。実はこれは1週間前のロンドンで撮ったもの。
1960年代に色々なイベントやアートの状況をつくる一団があった。シチュエイショニスト。状況ができ、熱を帯びて、情報が溢れる。その基本には、思想や新しい価値観とアートの芽生えが見える。しかし都市の環境や建築、政治や経済の環境が揃っただけではこうした熱を帯びた状況はできない。人、グループが必要だ。
先日、メデイアサーフ・コミュニケーションズという新しく若い人達にやってもらう会社を設立した。僕は裏で思想と基本理念を守る番人のような立場で参加している。ここでは近い将来自己メディアを作りそれに状況と情報をつくることをやって行くことを目指す。
日本では珍しい状況と情報とコンテンツを自由にサーフする集団を目指し、会社という形態をとった。これからデザインとコミュニケーションの変貌とともに大切な働きをすると思う。僕がデザインの状況を作り面白くしようとみんなとガヤガヤしていた5年前から、それに反するように東京の状況は後退してきたと思う。
エルメス銀座店に呼ばれてジャージー・セイモアが今日、東京にきた。彼と60年代のシチュエイショニストとパリのアートのことを話した。またバーゼルやマイアミのアートフェアをしきり状況を作り上げている人達のことや、アートとデザインの真実はどこにあるのかという話や、投資の対象になって不動産のように扱われているアートにはうんざりだという話をした。
デザインとアートの境界の仕事をしている彼は15年前から友人で、ミラノで開催したSPUTNIKのエキシビジョンやTOKYO DESIGNERS BLOCKでも色々と一緒にやった。彼がロンドンにいる頃から何故か話が合い、ベルリンにスタジオを移してからも、たまに会いお互い今の状況の検討をするような関係だ。
トウキョウが瞬間的に世界のデザインの中心になった2000年代の前半から、今世界は大きく変わろうとしている。