ポートランドとシリコンバレー
August 5, 2008
創造階級という言葉は80年代日本の製造業の勢いにおされたアメリカが、元々自国から始まった自動車産業や電化製品、IBMなどのコンピューター産業の製造業が落ち目になり大量に製品を製造することから情報文化産業に移行せざるをえなくなった事から生まれた。
そしてこれがソフトを中心にしたクリエイティブ産業という今までの製造業やサービス業などの分け方ではない概念が生まれるきっかけになった。
農業でも、若者が親の土地ではなくみんなで土地を借り、レストランや個人のスポンサーを集めマーケットに合う様々な種類の農作物を1つの農園で育て、直接それを売るという新しい農園がたくさんできた。
つまり料理と直接繋がり、どの野菜がおいしいかということがはっきり判った上でそれをつくる。他人の指示でなく、自分の意志で作物を育てる。それらをサポートする人達はスポーツ産業やコンピューター産業のデザインを中心に働いている人達だ。
スポーツはファションというよりも生き方であり文化であるし、情報産業が知の探求である人工頭脳の開発から始まったことでも判るように身体と頭脳と人生ということをふまえて、これらの企業を捉え直す。
今回の旅行では、人類の文化に関係すること全般を考えながら産業が成長しているポートランドのナイキやアディダスやワイデン他独立系の会社とそれらに多くの人材を輩出しているこの地域の大学、そして都市の状況を観察しその仕掛人を呼んでセッションをしてみようと思った。
ヒッピーの文化がそのまま現代によみがえったような、価値観は反体制で主流にはなり得ないが、無視できないぐらいに大きくなって社会が成立している様を見てみたいと思った。
会社にしろ個人にしろ社会の歴史にしろ、成長するというのは進化し変わり続け、流れて行くことであると僕は思っている。この地域では、それを実感として感じられるようなライフスタイルを送っている人々がいる。
それらの会社の責任者に会い、その場所を訪問し、日本やアジアと比較する。こうしたことが僕の今の興味と知的好奇心の中心だ。一体全体どうなんだというのが何時も僕のエネルギーになっている。
この地域はまずおいしい食べ物がある。素材を輸入に頼らなくてもワインやオリーブやチーズなど自力で美味しい物を生産できる。
そして健康と文化の意識が高い。お金がそんなになくてもやり方次第で豊かな生活ができる事を知っている人が多い。そのため人々も緩い感じで良い人が多い。その中に世界と現在を見つめている天才がいる。こんな所がこの地域の良さだ。