2008年のデザインの状況
September 12, 2008
ここのところ、ものが売れなくなっているそうだ。ブランド物やデザイン物の売り上げがすっかり減ってきた。商品を消費することは、本当はそれほど必要ないのに無理矢理消費の欲望をかき立てられてきたものだが、もっと大切なものがあるような変化の予感を感じる。デザインでもフィリップ・スターク的なものが少しうんざりした感じになってきた。
サステナブルとは存続可能な発展を目指すことで、循環的で再生可能なものだ。これをデザインで考えるとただ消費するのでなく、再利用も含めて次の時代の世界のビジョンを想定し、生活をイメージする必要がある。地球の自然の急激な変化を緩めなければいけないということを意識した、「もったいない」という昔の日本人の発想に近いものだ。
まだ足並みは揃わないが世界中が問題意識は持ってきている。今年のデザインウィーク、Design Tideや100% Designなどを考えたとき、Save the planet with wisdom and creativityといったテーマが浮かぶ。今までの利口さやアカデミズムは本当に地球にとって賢明さを追求してきたとはいえないのではないか。ワイズに考え、その中でどう生活し消費しモノを大切にして行くか、そこがまず大切だ。
そこで美しいもの良いデザインというものが見えてくるはずだ。中国や韓国はデザインが国力のバロメーターとばかりに力を入れてきている。サムソンの全体のデザインへの投資はすごくてブランドイメージもソニーを抜く勢いがある。そこで僕らはもう一歩賢明に時代を読み、澄んだ目で次の時代のデザインを考えなければいけない。
ところで、一昨日から青山のスパイラルでアルテックの家具とマリメッコの布を展示している。オープニングには行かなかったのでフィンランドからきた女社長と電話で話をした。お昼にあまり人がいない中でみるとやはりアルヴァ・アールトのデザインは確固としたものがある。アルテックという世界中で知られている家具の会社は社員50人程度でやっているらしい。
何かサステナブルと繋がる感じがする。まず元々の生活が浮ついてない。今年の春に行ったフィンランドの話をしていたら、ジャスパー・モリソンがやはり人があまりいないときに見に来た。オーといった感じで立ち話しをしたが、彼も変わらないし動じない。
そういえばこの辺の話〜デザインの本質についてジェームス・アービンと一緒にスクーリング・パッドで話してくれるといってくれた。僕で良かったら、If you wantとつけ加えるところがにくい。
これから刺激を受けなければいけないのはこうした基本的な視点。ふとした品。これが今年のデザインの感じだと思う。