出版流通再生について

November 8, 2008

Always changing is like flowing.いつもChangeとアメリカの大統領選挙のたびに聴くが、日本の文化では時代を、行く川の流れに例えて、社会を読み世の無常を感じ入るもの。いつも変わり続けるのは流れて行くようなものだと思う。

最近スクーリングパッドのブックコンシェルジュコースで出版業界の人と話していると、あまり売れなくなってきた本の業界も、新刊本を出さなければ売り上げがたたないということで、ますます多くの本が出版されるという。本や雑誌が消費材になり次々に消費され、売れ残りは裁断されて行く。

知性そのものが深まり、歴史観を持ってモノを考えることがますますなくなり、その歴史観というものも善し悪しが決められている。目先の答え、インスタントな利害を軸に物事が動いている。このサイクルと出版会の再販制度、古本や新刊本の隔たりなく、定価にあまりこだわらずに色々な流れで流通されるものとして、本が存在するようになる。

いやならざるを得なくなるだろうという近未来が見えてきた。出版流通、いや本の世界が再編されて行くのをどのようにするかは知の世界の現状が変わって行くことと平行しているだろう。この辺を軸に毎回セッシオンをしている。古本屋が童話を出版したり
雑誌の編集事務所の前が本屋になっていたり、洋書の流通が変わって行くのを横に見ながら、少しずつ日本の出版流通が変わって行くのか、或る時期金融業界のように急に崩れるのかはわからないけれど、とにかく変わる予感。

今回のオバマ陣営のやり方を見ていると情報の流れ方、お金の集め方が変わって行くのもよくわかる。本当の変化はこれからだと思う。より本質的なものへ、より真実に近いものを読み取るジャーナリズム、編集が求められてくると思いワクワクする。

アメリカの大統領選挙では、情報の流れ方や社会正義や民主主義そのもののあり方を賞賛しているように思えた。アメリカ人は無邪気に流れを変えてしまった。

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