革命かクーデターか
December 15, 2008
現在世界中で起きている金融危機から発した不況を、人々は現象的には1930年代のウォール街からの大恐慌と比べてみているようだが、これは根本的に違うと思う。
現在の世界経済はアメリカのドル経済を基準に成り立ってきた。そして実体経済の4倍ほどに膨らんでしまったバーチャルな金融資本、サブプライムローンという実体のない信用による金融商品(金融工学)としてのローンが破綻した。
バブルの崩壊で、土地と家、不動産と言う一見最も実のある、確かな資産のようなものに対する所有の夢と憧れが基にあり、この上に成り立った砂上の楼閣が崩れ去った。そこで世間では資本家ー銀行政府と権力の中枢が右往左往している。これが世界同時不況だ。高度に発達した金融世界経済が崩壊したのだ。
ここで革命かと思うのだが、20世紀後半に既に社会主義経済と共産主義が崩壊し、共産党でさえも次の社会はマルクスの思っていたような共産社会ではないと思っているようだ。
中国共産党は資本主義経済の持つ自由と人々の富に対する意欲とエネルギーをコントロールしながら世界の覇権を握るべく動いている。自由主義の決定プロセスの無駄がない分、ロスなく結果を得ることができるという点で
早くも経済の勢いでも日本を抜いている。少なくとも影響力では世界に存在を主張している。
革命とは労働者階級が社会をひっくり返すことを言う。一方クーデターとは権力内での覇権を奪うことを言う。
オバマは共和党も民主党も黒人も白人も貧乏人も金持ちも、ゲイも少数のコミュニティーもみんなアメリカを作っている。そしてリンカーンの人民の人民による人民のための政治を持ち出して、アメリカ人の期待を集めて大統領になる。
ここで階級闘争という革命よりもむしろ上層部の金融系に対する創造階級ークリエイティブクラスのクーデターが起きているんだと見るとわかりやすい。そして新しいシステムに移行しまた健全な形で金融が機能し始めるだろう。それまでのこの3年ぐらいが僕らの本領発揮の時期だと思う。