スウェーデンデザインツアー / North Wind 北からの風
January 8, 2009
去年は経済界や金融の世界で大きな動きがあったが、デザイン界も大きく変わった。
かつてデザイン界ではフィリップ・スタークやマーク・ニューソンのようなデザインのスターが出て、デザイナーの存在が大きく認められた。ちょうどファションデザイナーが文化人になりモデルが女優と同じような位置を得るように、デザイナーが成功者になった。
しかし社会的に成功することとお金持ちになることが等しくなる中、スタルクもブルジョア趣味の生活に捻りこそきかせたが限界が見え、マークもセレブになると同時に家具が異常に高くなった。近頃、こうした有名化、及び拡大する成功モデルが急激にしぼんできた。そして人々からはむしろピュアで質素な豊かさ、素な感じで奥深さが求められてきた。
そのような中、北欧/ノルデイックの国々が注目されている。しかし考えてみると彼らはトレンドでデザインをしているのではなく、質素で堅実で慎み深い生活をしてきただけなのだ。しかし彼らはノーベル賞など知性の最高峰の基準を持っていたり、スポーツや情報産業、デザインでも影響力を持ち続けている。本来日本が目指すのはこっちだったのではないか。
今回、スクーリングパッドで企画した北欧ツアーでは、スウェーデンの家具デザインフェアに出したり、フィンランドのアルヴァ・アアルトのサナトリアムやアルテックの工場に行ったり、図書館を見学したりと、少人数ながら僕ららしいやり方でやってみようと思う。
学問が本来独学を基本にしているように、旅は基本的には自分の旅だと思う。しかし海外の旅となると僕はちょっとばかりの経験やつながりをみんなに分けてあげたいと思う。今年は2月初めの北欧、4月のミラノサローネとロンドン、夏のポートランドの旅をやろうと思う。
北欧の持つ今の空気は経験してみないと分からない。デザインの流れをサステナブルと言わずに、Save the planet in style.などと言い切って、なかなか良いものだと思う。
この旅行には、直感に賭け、時代と未来の空気を感じ自分の思考を深め新しい時代の仕事を考える人に来てほしい。