もしもイデーを新しくやり直したらどうするか

August 6, 2009

もしもソニーが今の時代に創業したらどうだろうか?愉快工場を造るのだろうか?もしもHONDAがこれから起業するとしたらまたオートバイから始めるのだろうか?

僕はイデーというオリジナル家具会社の前には、西洋骨董屋を青山骨董通りで始め、美術理論誌を発行したり、インテリアデザインや建築計画、特許の翻訳をやったり、古い珍品万年筆を輸入したり。エジソンのロウ管蓄音機を入れたり、アールデコの家具を片っ端からコンテナに詰め込んで輸入したりと、色々やってきた。そしてみんな時代の中で遊んできた。

イデーでは生活の探求、造形の真実、趣味の冒険をテーマにして世界中の若いデザイナーを発掘してプロデュースしたりしてきた。これは日本の戦後、生活の向上を求めて生産を増大してきても、結局生活は深くならずに、表面的で成金的なアメリカの文明の馬鹿っぽいところのみを吸収してきた(アメリカにはよい部分も沢山あるのだが)だけで、本来ある日本の美的生活文化には行かない方向がいやだった。

そしてデザインを突き詰めて行くと造形の美に入り込んでいく、それたが趣味性や遊びにも入って行き、ますます面白くなってきたものだ。遊びや趣味はとことん、危険で、毒があるぐらいまでやらなければ、本当の遊びではないのではと思う。

イデーをやめた後は、スクーリングパッドなど色々な事を始めた。その間社会は変わりモノを大量に生産する社会から、賢明に社会の将来を考えながらやって行くような社会になってきた。20世紀は社会主義が多くの国で崩壊して、資本主義の世界になったが、21世紀になって銀行が国有化されるような資本主義の矛盾も出てきて、大きく変わってきた。そのため今後は日本で新しく社会を変える様な新しいベンチャー企業を創業したり、社会のリーダシップを育ていく行くつもりだ。

もしイデーの様な生活文化とデザインの領域で新しく起業したり、これからの社会での創業をする人がいたらどんどん投資したり援助する。それに有能な若者は、スクーリングパッドでは僕が直接引っ張って行き、自由大学ではみんながこうした流れを作ってくれる様に僕は後ろから推そうと思う。

生活はいつの時代も競い合って行くものだし、文化的なものにはいつでも新しいものが生まれてくるものだ。そこには才能や天からの恵みもののような偶然も味方して、今後も色々なことが起きてくるだろう。幸い、一度離れた才能がまた戻ってきたり、まあいい人はいつも一緒に時代を旅してるんだから繋がるものだと思う。

イデーという僕が考えて作り上げたものも今や良品計画が順調に事業を進めているようだし、僕の若いときから考えてきた生活の探求などということはまだ新しい会社でやって行くことができる。全く新しい運動を時代に即して創造して行くことほど面白いことはない。いつの時もこうした課題をもっていると思わぬところで芽を見つけることができるのではないか。そう思ってみんな生きて行きたい。

リーダーシップ、フレンドシップ、スポーツマンシップ ▶

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