Swedish Style 2009
October 5, 2009
スウェーデンに今度行ったのは、この10年間以上僕が生活の中心にしてきたデザインというものの社会でのその広がりということを、自分なりに納得したかったからだ。
10年前Tokyo Designers Block というのを僕が言い出してイデーの若いスタッフやボランチィアの人達と始めた。丁度その年にエバさんがSwedish Styleというのを始めた。
都市を包むデザインの状況を創造するなんて言って僕は家具を中心にいろいろな方向からデザインを考え、イベントや展示やシンポジウムやパーティーをした。その後11月にはDesign Weekが定着し、東京の秋はデザインで盛り上がる様になった。
それまでデザイナーというのは地味な職人のような図面書きだったが、実は時代を創造する社会の中心に持ってくることを、フィリップ・スタークやマーク・ニューソンやマイケル・ヤングなどのキャラクターがスター性があることもあり、それまでのファションの熱をデザインが取り込んだし建築や空間デザインも絡んできた。
そして2003-2004年頃は東京が世界のデザインの中心になったことがあった。ミラノよりもアジアの面白さと東京のユースカルチャーを含み、めちゃくちゃなパーティーも仕込んだ。
世界中から東京が面白い、ということでデザイナーが押し寄せた。その頃同時にスウェーデンも北欧のデザインとユースカルチャーを、当時スウェーデン大使夫人だったエバさんが中心になってSwedish Styleの熱を盛り上げてきた。
デザイン雑誌の力もあって、社会が大いに盛り上がり、その後デザインバブルという現象が起きた。そこで去年からの世界の方向の変化。
丁度スウェーデンに行ってるときもヘラルドトリビューンの文化欄でアリス・ローソン(ロンドンデザインミュージアムの元館長でマークニューソンの本も書いた人)がデザイナーは今後は、プロダクトや空間やその他のモノよりももっと大切なものをデザインしなければいけない。と書いている、とストッックホルムでもデザイナーの間で話題になった。
もっと大切なものって何だろう。それはものの後ろに在るストーリーじゃないか。ということでSwedish Style の2009年のテーマはSwedish Love Storiesということになった。あまりにも広告的でブランド的に成ってしまったデザインをクラフトや民芸も含めてその後ろに在る真実のストーリーと共に見せていこうということだ。
それとボクはホグランのガラスやスウェーデンの陶器や家具なども集めて、僕なりのスウェーデンに対する愛の形を考えた。10月29日(木)に表参道ヒルズのスペース オーとGYREのSMOKEでオープニングを行う。
CKRやSwedeseやFRONTなんかも来て僕も色々なお気に入りのものを見せる。スウェーデンの今のデザインの勢いと今までやって築き上げてきたスウェーデンの形をいろいろ見せて行く。
そして10月31日(土)は国連大学前でのファーマーズマーケットでケーキパティーやその他のスウェーデンの食べ物をいろいろ出そうという話になっている。
僕は最近はダーラナ地方の200年以上前の古い小屋に凝っている。最低限のスペースで贅沢、茶室の生活を感じさせる、今度一軒輸入してみようかなと思ってる。表面的でなく、北欧の静かで清らかなそしてモダンなデザインはクラフトも含んで感動させるだろう。
エバさん達とのこの東京でのデザインの潮流を作ってきたことはとても僕らの人生に役立っている。この10年の存在感はとても大きかったのでこれからの動きはストーリーを大切に、古いものも混ぜながら新しいデザインを紹介して行きながら流れを作って行きたい。
ボランティアや若いスタッフもきっと良い経験になると思う。自分から求めてチャレンジすると、終わったとき、ふと我に帰り状況を自分の中でどう解釈すべきかを考えてしまうものだ。そこからが自己との戦いかもしれない。