粋な紳士

October 12, 2012

昔はよく粋な紳士ってのがいたものだった。お昼過ぎ2時ころから4時頃、中途半端な時間に銀座か目黒のそば屋で、一人でつまみを軽く食べて、お酒を飲んでいる紳士がいる。

そしてさらっとそばを食べて立ち去ったとする。あれは一体なんなのだろうか?粋だな!と感じる。その紳士はどんな服をどの様に着こなして何をしているのだろうか?粋な東京の紳士。明治時代だったら、和服の着流しか、英国風のスーツを、夏なら麻のスーツ冬だったら、ハリスツイードかなんかで、チーフとメモを几帳面に持ってさりげなくメモをしている。

どんな本を読んでいるのだろうか?趣味は何かな?きっとマニアックで変なものを集めているに違いない。例えば葉巻のケースやオイルライターをたくさん持っている。万年筆のコレクション。古いレコードなどは普通だけれど、今だったら昔のキャラクターのセル画とか、デイランやグレートフルデッドの海賊版を集めていたり、初期の音源を様々な形でコレクションしていたりするのかな?

ウイスキーを飲むにしてもどのウイスキーをどのように飲むか?どんなグラスで飲むのが粋なのか。ひとたびその道に行くときりがない。しかしひとたびスポーツをさせると勇猛に戦う。こういった武士道にも通じて、潔く、勇気を持って、人生を生きていき、それでいてかっこいい人。

現代ではむしろ女の人にそうした人が多い様に思う。現在の様に国際間で色々問題がある時、毅然として、かつユーモアを持って、余裕がある人。こうした紳士を僕らで作り上げて行かないといけない。

むしろ現代の紳士とはどういう人なのかを探して行きたい。きっとカッコだけ復古趣味な服装をしてやたらに高い腕時計をしている人という訳ではない。イザという時に、きちんとした態度が取れて丁寧で趣味が良い。こうした粋な紳士を育てて行きたいなと思う。

それには先人に学びつつ、現代の世情を理解して、オリジナルな独自の紳士像を自分で作って行く。そこが大切だし、それには好奇心と知識欲だけでなく実践が大切だと思う。

人に良くして、異性に優しい。決断力のある粋な紳士。しっかりした思想を持ち、いざとなったらきちんとした筋を通せる紳士。ボクもそうした紳士として死にたいと思う。紳士は一日にしては成らず。

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