For The Times They are A-Changing
June 24, 2013
いつの時代も変わり続けているのは、何となく感じてきた。しかし同時にいつの時代も変わらない真実が有ると求めている自分がいるのも事実。
最近、また世界を廻ってきてみると、今までにもまして、時代が変わり続けている実感が湧く。このままあと1000年、人類が生き続けていられる様には思えなかった。このまま行くと、異常に増殖したバッタの大群が自滅して行く様に、人類もその文明も破滅に向う様な恐怖を拭うことは難しい様に思う。
一方、先日帰ってきた旅行から感じたことはまだまだ、人類も捨てたものではないし、色々な試みが行われていて、未来を感じることも有るなと思える瞬間が有る。まずそこはどんなものかと言うことをちょっと考えてみたい。
Twitterの創業者のジャックドーシー氏が僕らがやっているみどり荘に来てくれたので、サンフランシスコのオフィースに行った。そこはSQUAREと言う、四角なカード決裁をi-phoneやi-padにつけて簡単にすることを通して、個人事業主や新しく仕事を始める人に、経理やお金の専門の役割から解放すると言う、簡単なシステムを提供している会社だった。
現在の社会は全てお金を中心に回っているかの様に思われている。勉強をする目的も、良い学校に行き、大きい会社に就職し、安全に人生を過ごせる様なお金を稼ぐことができる様に、まだ日本では考えられている。そこがまず諸悪の根源ではないかとボクは思う。
さてお金そのものは価値変換の機能を持つメディアに過ぎず、それ自身を目的にすることが如何にばからしく格好わるいかと言うことを、その会社の空気から感じた。まず入り口ではセキュリティーが厳密にチェックして、何故来たのかと聞かれたので、いろいろ話していたら、今回僕らをアテンドしてくれることになっているKTが朝のボランティア活動から帰ってきて入り口で、僕らを見つけて、すぐに入って行くことが出来た。
まずカフェがあって、何を飲むかと聞かれたので、お水を頼むと、きちんとグラスとデカンタを持ってきてくれた。会社内にはいくつかこうしたカフェが在って、いつでも自由に飲んだり食べたり出来る様になっている。
社員が550人ほどいるオフィースの入り口には会社名は目立たなく、マークが簡単にサイン代わりに有るだけ。社員はカードや金融の仕事なのに誰一人スーツを着ていない。しかしオフィスというより働く環境は、ジャックドーシー氏の思想を具現化している空間になっていて、セキュリティーはしっかりしているけれど、自由でクリエイティブな空気が溢れている。
そこでビデオを作っている部屋に連れて行ってもらったら、大声でターザンの様に部屋の中に入るなりに現れた人がアートディレクターだった。そこで見せてくれた最近作った映像には新しくカフェを始めた人が、どこが大変でどのように売り上げを分析して事業を組立てるかを、簡単に説明したものだった。
お金を簡単に扱い、数字を分析してくれる。そして何よりその事業の目的が世の中に好いこと。そう感じさせてくれる、オプティミズムにもとずく仕事の仕方。安全性や確認を簡単にやって
落ち度がない様なことが基本にあり、事業を如何にクリエイティブに美しく組立てて行くかが問われている。
事業も失敗をそれほど恐れづに、やって行くことが普通だ。こうしたある種の理想を基準にした社会観を肌で感じた。これは一体なんなのか?世界は金融危機や国家の経済破綻がいっぱいおきているのに、其れを乗り越える動きがこうしたお金そのもののポジションと意味性さえも考えさせられる企業活動が出現している。
そう感じることができたことが僕にとっての喜びだった。そして、ジャックとカフェで会って簡単な会話を交わした。今度日本から若者を連れて来るからこの空気を体験させてくれるかなと聞いてみた。簡単にオーケーと言ってくれた。
システムや機能は真似することができてもこうした理想主義は真似できない。今度、こうした新しい企業活動や、個人の試みを廻ってみる。シリコンバレーやポートランドで起きている色々な動き。それらは時代が、自然の浄化作用を求めている様に、変わり続けていることを示している様に感じた。
人類も捨てたものではないなと思った。きっと日本の小さな町にもこうした理想主義が隠されているはずだ。時代の波をどのように捉えて行くかだけでなく、どう解釈してその根源を探る旅をしてみたいなと思う。なぜなら時代は変わり続けているのだから。