イデーの草創期 #5

January 23, 2024

IDÉEではまず初めに、モダンデザインの原点である1930年代のアール・デコの家具を集める事から始めた。

次に、1950年代のフランスのに影響を受けたFORMというブランドを作った。現代美術の始まった1950年代は、デザイナーや建築家の名前がはっきりしてきた時代でもあった。イサム・ノグチ、セルジュ・ムーユ、柳宗理、長大作など、デザイナーやアーテイストの才能や個性や思想が形に現れる様になってきた。

その後、PAYSAN (農民)という名前で、ベーシックでスタンダードな家具のシリーズを始めた。昔の家具のカタログや雑誌を収集していく内に、スタンダードであるが、誰がデザインしたのか分からないデザインの家具を追求したい気持ちになった。

その一方で、フィリップ・スタルク、マーク・ニューソン、倉俣史郎など同時代のデザイナーは、自分の存在をかけて美意識と価値観をスタイルやデザインに込めて表現してきた。ファッションとはまた違い、生き方や生活に直接関係している様で、僕らは1980〜90年代は熱中した。

僕は家具のデザインこそ、そのデザイナーの才能の発露だと思う。アンドレ・プットマンが手がけたニューヨークのホテルの内装や家具、フィリップ・スタルクによるデザインホテルなどが、そういった世界観を表現してきた。

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